東京見物(二)「旅枕」(11)

2015/09/22
倅・喜蔵に本を授かる

地図で今日廻る場所のチェックを済ませ朝食に向かった。純造より思いがけないプレゼントが二つあった。一つは今日の見学に人力車を駆り出してくれると言う。
もう一つは黒野の嫡男・喜蔵に本(下記参照)をくれるという。
喜蔵は明治8年生まれで、今年20歳の成人を迎える。清サンが32歳の子である。他に妹3人と次男の誠造、四男の修平がいる。(三男は早世)
倅に良い土産が出来たと喜んだ。
因みに、誠造は東京で開業し、医学博士・碓居龍太と共に誠之助の主治医の一人である。
碓居龍太と誠之助とは、共にドイツ留学をしたことで、後に顔見知りとなった間柄である。
所で、森鴎外ドイツ日記(明治18年12月24日)に誠之助のことが記事として載っています。

日本立志編(一)修身規範・千河岸貫一 著述

日本立志編(一)修身規範・千河岸貫一 著述

著述者:千河岸 貫一
    東京府下本所区外手町39番地寄留
出版人:吉岡 平助
    (大阪)府下東区備後町4丁目37番地
出版人:(大阪)府下東区南久宝寺町4丁目8番地
    明治12年11月15日版権免許
    同 20年9月19日 七版御届
            

日本立志編 版権免許 前川・吉岡蔵

日本立志編 版権免許 前川・吉岡蔵

日本立志編巻一目次 節倹ノ部

日本立志編巻一目次 節倹ノ部

日本立志編巻一目次 続き

日本立志編巻一目次 続き

日本立志編巻末

日本立志編巻末

人力車で東京見物

純造翁の心遣いで人力車に乗り東京見物をすることになった。いつも暖かい気配りをしてくれる番町には感謝している。次の再会とお礼を申し上げて、 車夫が待つ人力車に乗り番町を後にした。
麹町上2番町から半蔵門→二重橋→大蔵省→印刷局→東京府庁
芝浜離宮→新橋鉄道局→新橋停車場へ到着。
人力車での見物は速くて爽快だが、長時間乗ると、少々"情緒不安定"になるような気がする。番町には申し訳ないが、見物は徒歩でじっくりと見るのが良いと思った。
時間は丁度お昼である。お伴の人力車を帰した。
新橋停車場で駅弁を買い横浜へ向かった。今日は横浜で泊りゆっくりと見学し、明日帰岐する予定だ。
新橋駅12:35発→横浜駅13:30着の汽車に乗り、車内で弁当を食した。汽車賃は20銭だった。駅に着いて驚いた、流石、文明開化の街だ。
キリンビール明治屋本店の広告に目が釘付けになった清サンは、早速店内に入り瓶ビールを注文した。
弁天橋を渡り左折して、生糸会社~灯台製造局~海軍省~神奈川県庁辺りを 見学し、山下公園近くのホテルで宿をとった。

次回は横浜~鎌倉大仏を掲載します。

日本立志編 版権免許 前川・吉岡蔵

二重橋

印刷局

印刷局

東京府庁

東京府庁

日本立志編 版権免許 前川・吉岡蔵

芝・浜離宮

新橋鉄道局

新橋鉄道局